その他の染め方は問題外。残念ながら藍染とは言えない「藍染もどき」が多く出回っているのも事実です。化学染料で紺に染めて、最後に藍に一度浸けただけのもの。またはインディゴピュアで染めたものもあります。ヒドイ例では藍染の匂いを付着させただけのものを藍染と称して売っているものまであるとか。
「インディゴピュアといわれる染料は藍に非常に似た化学分子を持っているので、それで染めたものを本藍などと称しているんでしょうね。お店に並んでいる藍染が蓼から取った色かどうか見分ける方法は、ただ一つ。本物の藍色を目に焼き付けておくことしかないんです。自分が気に入った藍色なら、それを本物と信じてもいいのでは?」

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笑いながらもけっこうキビシイ古庄さん。
食い下がる私に、こんなエピソードを話してくださいました。
「徳島県内の高校の授業で、青い布を並べて好きな色に順番をつけさせました(もちろん染めの方法は教えずに)。すると、生徒全員が本物の『灰汁(あく)建て』で染めた藍染を一位
に選んだのです。 地元の彼(彼女)らにとって藍染は身近なもので、藍染の授業を受けていたかも知れないことは割り引いても、クラス全員一致には驚きです。きっと、人は本能的に自然の素材から生まれた色に惹かれる習性を持っているのかも知れません」
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